【産業スパイ】

「おい、ちょっと来てみろよ!面白いことやってんぜ!」
あまり成果の振るわなかった外回りから帰社した俺は、
少し興奮を帯びた同僚の声に振り返る。
「面白いこと?」
「そうそう、絶対お前も喜ぶからさ、来てみろって」
興奮を隠しきれない別の同僚も俺に声をかける。
普段、プライベートで親しくもないこの二人が俺に声を掛けるほどなのだ、
よほどの事なのだと興味を引かれるが、
残念ながら課長に散々な営業結果を報告しなければならない。
一件も契約を取れませんでした!
…と、澄ました顔をした課長に、情けなく頭を下げる自分を想像する。
独りでに溜息がこぼれる。
気分は落ち込む一方だ。
「悪い、俺これから課長に外回りの報告しないといけねえんだわ」
だから無理だと先を促す俺に、
同僚の二人は顔を見合わせニヤニヤしたと思ったら、
目を輝かせて俺を見る。
下卑た顔だった。
少し不審に思いつつもエレベーターのスイッチを押そうとする俺を、
二人はさらに呼び止める。
「ならちょうどいいや、課長もこっちにいるんだ。いいから来いって」
「課長が?」
あの真面目な課長が業務時間にサボッているのは意外だった。
「ほらモタモタすんなって、お前も絶対楽しめるからさ」
まあ、課長がそこにいるのなら報告のために行くしかない。
ったく、面倒だと内心で呟き、俺は二人についていった。

「ほら、こん中に課長が待ってんから入れよ」
ついた場所は普段使われていない倉庫だった。
こんな所で何をしているのかさっぱりわからない。
「いったい何やってるんだよ?」
「いいからいいから、入りゃ分るって」
促され、渋々錆びついたドアに手を掛ける。
暗闇が広がる。
深い呼吸音だけが部屋に響いていた。
手探りで明かりの電源を付けた。
その時

「…っな!」

「……んく、……ぁぁ…ん」
目の前に広がった光景。
手足を拘束され股を大きく広がされた男であった。
男の顔には見覚えがある、
あの気に食わない上司の課長だ。
課長は廃棄される予定だったボロボロの革張りソファーの上に置かれていた。
アナルには限界ぎりぎりまで押し込まれたのだろう、
大小さまざまな無数のペン類が差し込まれていた。
粘膜に濡れたペン同士の隙間から、濃い白濁が零れ出ているのが見える。
ペニスには黒いスキンがつけられ、その根元には幾重にわたる糸が厳重に縛りつけてあった。
淫猥だった。
課長は震える手でラクガキのような文字が書かれた紙を必死で握りしめている。
紙には「肉便器」と書かれた汚い文字。
まるで性の置物だ。
課長は虚ろな目をしていたが、意識はあるようだった。
だが、暗闇に閉ざされた部屋で何時間か放置されていたのか、
急に明かりがついたせいでこちらを確認できないようだ。
緊張で喉がはりつく。
うっすらと湿る掌に、自分が興奮している事実に気付く。
驚愕を発するはずの喉は、乾いた音すらでない。
「はは、やっぱり驚いただろ!」
同僚が驚きのあまり声の出ない俺の反応をからかった。
「あ、…ああ。でも、なんで…こんな」
唾を飲み下し、やっと口が動く。
乾いた唇を舌でなぞった。
だらしなく口を開け、涎と白濁をこぼす課長。
目が離せなかった。
「先週、内の課の内部情報が漏れて、企画がつぶれたのは覚えてるだろ?」
「そりゃ、まあ……あんなに大騒ぎになってりゃな」
「んでその内部情報流してたのが課長だったってわけだよ。
まあ簡単に言っちまえば企業スパイだったんだな、この人」
同僚はカチャカチャとベルトを外し、苦しげに呻く課長の顔を押さえつけながら話を続ける。
「以前にも企画が盗まれた時もコイツが犯人で…、
あー、あん時はみんな残業で最悪だったなー、マジムカツク」
「……うぐっ!!」
同僚は強引に課長の口開かせると、もうすでに猛っていたモノをねじ込んだ。
口中に溢れていた白い唾液が同僚のモノの大きさに押され、垂れる。
課長がさらに呻いた。
「っぐ…っく!………っ!」
嗚咽だった。
冷たい切れ長だった課長の瞳は、今はまるで子供の目のように腫れぼったく見えた。
殴られて腫れた後なのか、泣きぬれたせいなのかはわからない。
ただ怯えたように体を震わせている。
「そんなに怯えるぐらいなら企業スパイなんて止めとけばよかったんだよ、バーカ」
同僚はそんな課長に構うことなく、
乱暴なイラマチオを開始した。
「あぁ………っぐぐ!んぐ!…っぐ!ぅ………!」
呼吸ができないせいか、課長は痙攣ながら声を上げた。
「ったく、散々俺達を騙しやがって。いい気味だぜ。オラもっと舌使ってやってみろよ!」
「や……ぁ…っぐ!」
「また殴られてえのか?あん?」
いつも愛想笑いの得意だった同僚が、まるで野獣のように課長を弄っていた。
「仕方ねえな、噛むんじゃねえぞ!」
下卑た笑いを浮かべながら、
同僚は、必死でフェラチオを続ける課長の顔を両手で抱え込むと、乱暴に上下左右にピストンした。
「はは、たまんねぇな!」
あまりに激し過ぎるピストンがよっぽど辛いのだろう、課長は目を見開いて声にならない嗚咽を上げ続けている。
もう一人の同僚は、からかうように俺を見た。
「な?楽しそうだろ?
内部情報が漏れたあの事件の犯人がコイツだっていうんで、
みんなでお仕置きしてやったんだよ」
「みんな…って…」
上擦った声で呟く俺に、同僚はさらに笑った。
「みんなだよ、まず社長だろ、んで一番被害を受けた企画課に回して。
次に迷惑かかった広報で、んで事業部にまわした後に、俺達の営業課ってわけだな」
「そんなに輪姦したのかよ…、ひでぇな」
何人の男に輪姦され続けたのだろうか、この男は。
普段の澄ましたムカツク顔が苦痛に歪み、泣き、喚いた姿を想像すると、
ひどく興奮した。
「ヒドイのはこいつだろ?俺達が必死でしてきた仕事を全部台無しにしてきてたんだぜ?」
「ああ、そうだな……。たしかに、そうだ」
大義名分がついた。
悪いのは自分たちを売っていた、裏切っていたこの男なのだ。
だから何をしても、どんなに犯しても、
どれほどに凌辱しても、
すべて悪いのはこの男なのだ。
尊敬していた。
仕事に失敗し、どんなに罵倒されても、
この男を尊敬していた。
その尊敬していた男を正当な理由でレイプできるのだ。
興奮せずにはいられない。
少しの緊張と、激しい興奮。支配欲。
日常ではありえない、この狂った部屋は俺の下卑た感情を呼び起こすには十分過ぎた。

「俺にもやらせろよ」
声が勝手に零れた。
いまだ乱暴にイラマチオを続ける同僚に、俺はにやけた笑みを浮かべて問う。
「はは、なんだよ。やっぱりお前もやる気マンマンじゃねえか」
「そりゃ、コイツのせいで俺達がどんなに大変だったのか思い出せば、な?」
「だろ?じゃあ俺は一回終わらせるから好きに使えよ」
言い切った後に、同僚は課長の喉奥深くまでペニスを突っ込み、射精した。
課長はもう呻くことなく、同僚の白濁を飲み込む。
おそらく、社内で男達に回された時に覚えこまされたのだろう、
男の性を飲み下すように。
「ただいま戻りました。今日は契約がとれませんでした、申し訳ありません」
男の性を飲み下し、屈辱に震えている課長に、
俺はわざと普段通りの帰社報告をした。
ハッ!とこちらを振り返った課長と目が合う。
一瞬呆けた顔をしたと思ったら、
それはすぐに恥辱の赤に染まる。
嗚咽を漏らし、目線をそらした課長に俺はさらに追い討ちをかけた。
「あー、すいません報告書がまだ書けてないんですよ。ちょっとペンお借りしますね」
「…っか!」
アナルに深々と突き刺さったペンを全て俺は乱暴に引き抜いた。
マジックやボールペンでギチギチに埋まっていたソコは、
乱暴に引き抜かれた勢いに釣られ、大量の白濁を吐き出した。
何度中出しされたのだろう。
くすんだ色のソファーに、光沢を帯びた精液がドロドロと流れ出る。
アナルから流れ出る液体が気持ち悪いのだろうか、
課長は殊更に顔を歪めていた。
凌辱され続けたアナルは湿り気を帯び、ヒクリヒクリと俺を誘う。
だが、まだ犯すのは早い。
もっと嬲って、もっと陥れてやりたかった。
興奮から出る汗が全身をめぐり、購入したばかりの真新しいシャツが俺の肌に食いつく。
これのシャツを勧めてくれたのは課長だった。
あふれ出る興奮を堪えながら、俺は近寄る。
俺の瞳を覗き込んだ課長が、惨めに震えた。
「あ、そうそう。コレ、今日出先でもらったんですよ。課長にもおすそ分けします」
俺が手にするものを課長が怯えた眼で見た。
目が大げさに震えていた。
手も、脚も、体も、足の指先までも震えていた。
俺は愉しさが抑えきれなかった。
「ほら、営業先の専務がゴルフ好きだったじゃないですか?
俺も好きなんですよって、適当に話し合わせてたら。専務さん喜んじゃんって。
じゃあコレ持って行け、って大量のゴルフボールをね、
貰ったんですよ」
俺は普段通りの口調で笑い話をするようにしながら、
課長のひくついたアナルにゴルフボールを押しあてた。
「ひぃ……!ぁぁぁあああ!」
課長が小さく揺れる。
怯える表情が愛おしくて堪らなかった。
乾いたままのボールを課長の潤ったアナルが吸い込むように飲み込んだ。
小さくは無いが、それほどの大きさでもないボールだが、
こんなに簡単に男のアナルに入るとは思わなかった。
一度飲み込んだ球体は、腸内の律動とは反し、直腸へと飲み込まれる。
まるで性器だ。
口の端の笑みが、止まらない。
課長のその淫猥な穴を愉しむ。
指でボールを強引に奥まで押し込むと、アナルの入口が締まった。
「あー、まだ足りなそうですね。課長もゴルフ大好きでしたっけ、そういや」
笑いながら問う俺に、課長は震える唇を噛みしめるだけだった。
俺と会話をするつもりはないらしい。
まあ、それでも良かった。俺は続ける。
何気ない会話のように、
昨日コーヒータイムにわずかな談笑をしたように、
「ゴルフボールってウミガメの卵と似てる気がしませんか?
俺はウミガメの産卵って見たことないんですけど、一度見てみたいんですよねー」
「・・・……あぁぁ……!」
一方的な会話を続けながら、
俺は次々にゴルフボールを課長のアナルに詰め込んでいった。
ボールを押し込む度に、課長が揺れた。
おそらく、中のボール同士が蠢き、擦るのだろう、
課長の前立腺を無理やりに押し開いているのだ。
中に埋め込まれていくボールはもう片手では数えきれない量になる。
痙攣を繰り返す課長の、縛られたペニスは限界を訴え揺れている。
しかし、睾丸までもギチギチに縛りあげられたペニスでは、
射精することなどできない。
ただ内部で圧迫する無数のボールに押された前立腺は、
課長がどんなに嫌がり、怯え、恐れようとも、
悦楽の信号を脳に送り続けている。
課長は射精することのできないまま、なんども頭の中で達しているのだ。
「ぅぐ…っううう…ん!ん!」
ほら、また達した。
課長の腹は押し込まれたボールで、少しだけ膨れていた。
足首にある筋は、何度も緊張と縮小を繰り返している。
達する度に、神経が射精のメカニズムを行うのだろうか、
決して射精はできないが…。
アナルの入口はまるで軟体生物のように収縮し、
無理に広げられた穴の奥を明かりが照らす。
貰ったすべてのゴルフボールを押し込んだ後、
「おい」
俺は努めて冷たい声を発した。
呻く課長の髪をつかみ上げ、乱暴に持ち上げる。
課長が痛みに悲鳴を上げたが、
その悲鳴は俺の興奮を煽る道具にしかすぎなかった。
課長は泣きはらした眼を、またいっそう歪めた。
ガキみたいな泣き顔だった。
俺は興奮した。
「いま挿れたボール。
全部産卵しな」
優しさの微塵もない声が、俺の口から零れる。
「………ぁ、だ」
髪をつかまれながらも、課長は首を横に振った。
震える体の震動が、頭を持ち上げている俺の筋肉にまで伝わる。
怯える課長は可愛かった。
だけど、それ以上に加虐心を煽る。
「あん?」
俺は課長の頬を軽く数度殴った。
課長はもっと震えた。
更に興奮した。
「嫌なら、嫌でもいいぜ?腹踏みつけて出させるだけだからな」
片足を課長の腹に当てた。
革靴が滑らかな課長の肌の上をすべり、
俺は尖った靴先で課長の腹を踏みつける。
力はかけないが、ただでさえ圧迫されている腹の中はその重みだけで蠢いていた。
「このまま力を込めてけば勝手に産卵ショーの始まりだ」
「あ、あ…!!ま、…まって!」
課長がすがるように掠れた声をあげた。
課長がまともに発した初めての言葉だ。
「あん!なんだよ?」
「じ、じぶ……ん、で…だ、…ぁすから。やぁ」
暴力による支配が怖かったのだろう。
課長は必死で俺を見つめる。
「早くしな」
先を促して一言。我ながら冷たい声だと思った。
尊敬していた上司を辱める行為に、俺は溺れている。
「ん……っく!ん、んん!」
排泄しやすいように両膝を上げる仕草。
震える瞳。
声を堪える口元。
どれも興奮した。
次第に頭を見せたゴルフボールに遠巻きにみていた同僚が笑っていた。
いや、いつのまにか増えていたギャラリーが、
この課長の産卵ショーに下卑た笑みを浮かべて喜んでいる。
「もっと股おっぴろげて皆さんに見てもらえ」
開脚していた脚をさらに俺は押し開いた。
課長が屈辱で揺れる。
「やぁぁぁぁぁーーー!!!」
大きく上げた絶叫とともにゴルフボールがアナルから飛び出し、
地面にぶつかり反響する。
どうやらまた達したらしい。
全身を痙攣させて顔を朱に染めていた。
ハァハァと息をもらす課長の尻を俺は力いっぱい平手打ちした。
「いっ!…ぁ…っぐ!」
「まだいっぱい入ってるだろ、早く全部ひねり出せ」
命令しながら、
俺は赤く腫れあがった課長の尻をさらにはたいた。
それでも渋っている課長のアナルに、
指を二本乱暴に挿しこみ、力いっぱいかき回した。
結合部が淫猥な音を奏でている。手加減せず何度もピストンを続けていると、
痛みの恐怖に負けたのか、課長が次々にボールを産み落とす。
「…んく!…っん…、っく」
ボールが課長の快楽の壺を通り過ぎるたびに、
声が漏れていた。
「…ぁん!んんぅ!……んく、んくく…!」
何度も何度も達しているようだ。
その証拠に、課長の縛られたペニスは哀れなほどに小刻みに痙攣し、泣いている。
ボールを産み落とす度に、周囲に滑稽な反響音が響き渡っていた。
快感と苦痛を堪える課長の嗚咽。
この産卵ショーを見学しているギャラリーの誰が最初だろうか。
皆が携帯を片手に課長の痴態を撮影していた。
携帯独特な疑似シャッターの音が、課長をさらに辱める。
俺は課長の頭を優しく撫でる。
精子をかけられていたのか、髪の部分部分、整髪剤とは別の硬さだった。
ボールを吐き出しながら、課長は許しを得るように俺を見つめていた。
おそるおそる、といった様子か、
「射精したいのか?」
問いに、課長はコクンと小さく頭を揺らす。
怯えながらも懇願する、その哀れな仕草はまるで奴隷そのものだ。
俺は落ちたゴルフボールを拾いながら、
震えた瞳で俺を見つめる課長を眺め、嘲笑った。
「あぁぁ……、…、まっ!なん……で!」
課長が泣きぬれた声をあげた。
最後の一つのボールが、ヒクついたアナルから顔を出していた最中、
俺は出かかっていたゴルフボールを濡れたアナルの奥深くまで押し戻したのだ。
「あ、……ん!やぁぁ……ぁぁぁあ!!!」
快楽と恐怖の入り混じった、悲鳴を上げ続ける課長の顔を愉しみながら、
俺は拾い上げたゴルフボールを一つ、また一つとアナルの中にねじ込んだ。
指先の届く限界まで押し込むと、課長はとうとう大声をあげて泣き出した。
湿った内部が、差し込んだ指を締め付ける。
腸内の独特な弾力。
痙攣し、足の指先を哀れに丸める課長。
俺はボールを捩じ込みながらも、課長の内部を縦横無尽に掻きまわした。
「やだぁぁぁ!いた…ぃぃーー!いか…せて!いかせてっ…てばぁ!」
再度すべてのゴルフボールを飲み込んだ課長は恥も外面も気にせず泣きわめく。
羞恥と達することのできない悦楽を堪えながら、
必死で産卵していった行為を、課長はまたしなければならないのだ。
泣きわめくのも当然だ。
小刻みに震える課長のペニスがやけに印象に残る。
「やだぁってば、……ねえ…助けてよ、ねえ!
………っ!」
最後の掠れた声は確かに俺の名を呼んでいた。
下半身がズクリと動いた。
これだ、これが見たかったんだ。
尊敬していた課長の、
子供のように泣き喚くみじめな姿が、
どうしても見たかったのだ。
俺の名を泣きながらに呼ぶその声が愛おしかった。

泣きわめく課長の頬を俺は優しく撫でた。
課長は怯えながらも濡れた目で俺を見ている。
あとでたっぷり犯してあげよう、
その時課長がどんな顔をするか、今の俺には愉しくて仕方なかった。
だけどそれと同時に少し寂しくもあった。
尊敬していた課長は、もうどこにもいないのだから。




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