【家畜飼育日記2】 |
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人間の飼育を始めてから2週間が過ぎたあたりか、 人間は少しづつだが私に慣れ始めた。 飼われる生活に諦めがついたのだろう。 人間は毎日ひどく落ち込んでいた。 明らかに痩せてしまった身体に、 私は人間の健康が気掛かりになった。 おそらく、何もすることのない小屋での生活が苦痛なのだろうか。 しばらく考え、 暴れる様子もなくなった人間を、私は自分の部屋で生活させることにした。 もちろん安全のために首輪はつけたままだ。 退屈だった小屋での生活が長かったせいか、 人間が私の部屋に馴染むのにそう時間は取らなかった。 人間は少しだけ笑うようになった。 人間が私の部屋で生活を始めて数日、 私は人間に仕事を与えることにした。 身の回りの世話をさせてみたのだ。 愛玩動物としての家畜だけではなく、 奴隷の用に使えるのならばますます商品としての価値が上がるからだ。 人間は素直に従った。 部屋の掃除、食事の支度。 家事一般は得意ではないようだが、 それはおそらく個体差ではないかと私は考えた。 我々には及ばないにしても、人間の知識はそれなりにはあるようだからだ。 ただこの人間はつたない腕で精一杯努力しているようだ。 私は満足した。 都会に上京し立身出世し大物になってやる、と 数年前に実家を飛び出して以来なのだ、 誰かと共に生活するというのが。 人間の淹れる、すこしだけ苦い紅茶は、 今や私の朝には欠かせない生活の一部になっている。 「おい、人間よ」 やはり苦いな、と内心で苦笑しながら私は人間を呼ぶ。 呼ばれた人間はこちらを振り返った。 捕獲直後すら怒声を上げ続けたものの、いまはあまりしゃべらなくなった。 元から無口なのか、 それとも私を畏怖してなのかは分らない。 おそらく両者なのだろう。 「私はお前の白濁が食したい。良いな?」 私の発した言葉に、 人間はあからさまに怯えた。 触手で嬲ったあの記憶が呼び起こされるのが嫌なのだ。 しかし、私に逆らえばまた仕置きされると思ったのだろう、 人間は素直に教えた通り机の上に、脚を大きく開いて見せた。 下唇を噛みしめ、屈辱に耐えるその様は、 いつ見ても可愛らしいものだ。 私は人間の性器を直接口に含んだ。 こうした方がより白濁を生産しやすくなる事を発見した、 それになによりも、この美味な白濁を一滴も漏らすことなく味わえる。 人間の白濁は我々にとってなんともいえない豊潤な味わいなのだ。 一度口にしたら忘れることのできない強烈な、一種麻薬にすら似た味。 私は人間に夢中になっていた。 人間に白濁を出させるため、私は人間の性器を強く扱いた。 得意の舌を使い、根元から先まで丹念に舐め上げる。 「……っ………!」 腰を震わせ声を漏らす人間。 喘ぎを上げるのが嫌なのか、 人間は私から顔を逸らし口を両の手で必死に抑えていた。 私はその反応を愉しみながら様々な手法で人間を責めた。 我々のヤスリの様な舌の硬さと、 柔軟に自在に伸びる舌の動きは、人間にとって激しい責苦なのだろう。 舌の中で何度も揺れるのだ。 堪え切れない声がその動きにあわせ何度も漏れ聞こえる。 淫猥な動きだった。 尿道の先を強く舌で刺激し、片手で人間の胸の突起を愛撫すると、 二度三度大きく跳ね、人間は一度目の白濁を吐き出す。 「ふ……んぅ!……ん……ぅぅん!」 私は白濁を出す直前に大きく舌を絡めると、 人間の白濁を余すことなく味わった。 全て飲み干したあと、私はこの味が名残惜しくなり、 舌の先を使って尿道の中の残滓を舐めとる。 「あぁぁ………!……い、いやです……キツ……イ!」 嫌がる人間を押さえつけ、 私は味がなくなるまで何度も人間の性器を啜った。 萎えて小さくなってしまった人間の性器に、 私は惜しんだ。 人間はまた泣いていた。 人間はいつも泣く。 故を尋ねると、人間は私に白濁を飲まれる行為が嫌いなのだと言う。 ツライのだと言う。 まるで自分が農家の牛のように、 毎日畜産として白濁を出させられることが苦痛なのだという。 家畜の分際で!と本来ならば叱りつけるべきなのだろうが、 私は困ってしまった。 人間を泣かせたくはなかったのだ。 しかし、人間の出す白濁は決して諦めることはできなかった。 それほどに忘れられない味なのだ。 いまだ腰を小刻みに痙攣させる人間の頭を、 私は優しく撫でる。 人間はなかなか泣きやまなかった。 ある日、人間は服が着たいと言い出した。 人間を飼い始めてから季節の節目を迎えたぐらいの出来事だ。 よく働き、毎日白濁を生産する人間に私が褒美をやろうと、 何か欲しい食べ物はないかと尋ねたのだ。 私は人間が気に入っていた。 人間の喜ぶ顔が見たかったのだ。 人間のためなら、 最高級の鳩の胸肉も、幻と呼ばれる白鯛の眼球だって与えようと思っていた。 私がどれだけ人間の事を大事にしているかを、 モノで釣る以外に伝える方法がなかったからだ。 私の誠意に、人間は涙して喜ぶと思っていた。 しかし、思惑通りにはいかなかった。 人間は食糧よりも服が欲しいと訴えたのだ。 一瞬理解ができなかった。 私は不思議に思って訊ねた。 「人間よ、人間のお前ごときがなぜ服など着れると思う?」 私の問いに、人間は大きく目を見開き、また震えた。 しばらくして、人間は辛そうに顔を伏せたまま。 ……すいませんでした、 と一言言い残し、部屋から出ていってしまった。 いつもと様子が違った人間が気にかかり、私はそっと様子を覗いた。 人間はまた泣いていた。 声を潜めて泣いていた。 私はまた困ってしまった。 人間が服を着たいなどと言うとは思ってもみなかったのだ。 捕獲した時、人間が着ていた服は研究機関に渡してしまっている。 どうしたものかと悩んだが、 私は仕方なく自分の古着を探すことにした。 我々と人間では体格の差があったが、まあ着れない事はないだろう。 泣き隠れている人間を、 私は素知らぬ顔で通り過ぎ人間の寝ている小屋に服を置いておき、 私は仕事に向かった。 一日中、落ち込んでいた人間の事が気掛かりだった。 人間は服に気がついただろうか。 服に気がついたとしても、ちゃんと着れているだろうか。 ちゃんと餌は食べれているのだろうか。 独りで退屈してはいないだろうか。 私は人間の事で頭がいっぱいだった。 深夜遅くに帰宅した私を、人間は出迎えた。 人間は私に微笑んでいた。 私のサイズの服では、人間にはだいぶブカブカだったが、 人間にはよっぽど嬉しい事だったのだろう。 いままで見せたことのないような笑顔で私に感謝を述べていた。 私は嬉しかった。 懐きすり寄る人間の頭を、私は軽く撫ででやった。 人間は私にだいぶ心を開いてきたと思う。 私が帰宅すると独り寂しい思いをしていたのか、すぐに寄ってくるようになった。 暇ですることがないのか、 人間はいつもテレビを見ているようで、 食事の最中は、人間が私の留守中に見ていたテレビの話題ばかりになる。 私は幸せだった。 人間との暮らしが当たり前になってきたある日の事だった。 その日は気分が良かったので、 人間に新しい服を着せてやろうと、 給料をふんぱつし人間のサイズにあった服を買い帰宅した。 人間のためにわざわざ尻尾通しを縫い合わせる事までしてやった。 人間が我々の服を着ると、尻尾の穴が気になるらしかったからだ。 初めに服を与えた時、あれほどに喜んだのだ、 きっと私が選んだこの服を、人間は喜ぶだろう、と。 逸る気持ちを抑え、小走りになり帰宅した。 玄関で出迎える人間に笑顔でこのプレゼントを渡すのだ。 そう思っていたのだが、 いつもなら帰宅とともに飛んで迎えに出てくる人間が、 今日は来なかったのだ。 不審に思い人間を探すと、 人間は青ざめた表情でくい入るようにテレビを見つめていた。 どうしたか、と訊ねても、人間はこちらに気がつかない。 テレビには青い惑星が映っていた。 地球だ。 番組の内容は、 地球という文明レベルの低い惑星を面白おかしく紹介するバラエティ番組だった。 人間は焦がれているのだ、故郷に。 私はテレビを消した。 人間が私を睨んだ。 人間は食事の支度すらしていないようだった。 「人間よ、食事の支度はどうした?」 「俺を、俺を帰してくれ!もう嫌だ!こんな生活! 地球に帰りたい!帰りたい!返してくれよぉ!」 私の問いに対する答えではなかった。 人間は興奮していた。 故郷を見てしまい、心が動転しているのだろう。 私につかみかかり、必死に訴えている。 不快だった。 心底、不快だった。 人間が私を否定している。 私はせめて心を落ち着かせようと今日買ってきたばかりのプレゼントを見せた。 「これを見ろ。お前のためにあつらえた最高級の服だ」 私がどれだけ人間を大事にしているか分かれば、 少しは気が落ち着いてくれると思ったのだ。 だが人間が落ち着く事はなかった。 「そんな事より、俺を逃がしてくれ!帰してくれ…って!!」 少しでもご機嫌を取ろうと、私は人間に服をあてる。 きっと似合うだろう。 人間も私の心配りに感謝する、 そう思っていたのに、 「やめろ!放せよこのバケネコ!」 言って、 人間が私を突き飛ばす。 『ビリリィィ…!』 突き飛ばされた拍子に、 滑稽な音を奏で私の用意した服は破れた。 服が破れた、 ただそれだけのことなのに、 私の中に激しい憤怒が生まれた。 私の全てが否定された気がした。 人間が喜ぶと思って、 人間の笑顔が見たくて、 ただそれだけのことだったはずなのに。 私のプレゼントを話の肴に、 二人で楽しく夕食を食べるはずだったのに。 私の揺れる手に残る、千切れてしまった服の破片を 私は悲しい気持ちで見ていた。 私の感情の変化に、やっと人間は気がついたようだ。 小さく声を漏らし、 私の瞳を揺らいだ瞳で確認していた。 沈黙は数秒だった。 「ご、ごめんなさ……っ!」 その言葉が引き金となった。 人間の謝罪の言葉は最後まで紡げなかった。 私は人間に襲いかかった。 泣いて詫び続ける人間にかまわず、私は人間の服を破り剥ぎ取る。 「黙れ!人間よ!人間に服など、はじめから要りはしないのだ!」 抵抗しようとする腕ごと、爪で引き裂いた。 泣き続ける人間に構うことなく、 私は衣服が原型を留めなくなるまで引き裂いた。 ようやく人間が裸になる頃には、 人間の皮膚は私の爪で数十か所と赤い螺旋を描いていた。 人間は恐怖で慄いていた。 震えていた。 その姿は追い詰められた獲物だ。 一度野性に火がついた私は止められなかった。 普段抑圧していた本能が目覚めた。 どちらが上か認めさせるのは簡単だ。 私は泣いて震える人間を乱暴に四つん這いにし、 腰を両手で押さえつけた。 人間が恐怖で振り向いた瞬間、 私は人間を貫いた。 「………ぁ…ぁぁぁぁーぁぁっ!」 人間が声にならない悲鳴を上げた。 私は人間を犯したのだ。 人間の悲鳴が私に更なる興奮を誘う。 獲物が悲鳴を上げれば上げるほど、 ハンターとしての先祖の血が騒いだ。 まさか家畜とまぐわうなど思ってもみなかったが、 もう止められなかった。 狭い腸内を強引に押し入り、 私は怒りで震える怒張を最奥まで導く。 「…ぅぅー……!! 根元まで犯しきると、私は人間の首筋に咬みついた。 本来、女に排卵を促すこの行為は、 男に、まして人間にする意味などありはしない。 だが人間の首筋を強く噛みしめると、私の中に圧倒的な征服感が満ちるのだ。 獣の交尾そのもの、 いや、強者が弱者を征服する儀式に近い。 首筋を咬まれた人間は、 痛みと衝撃とで、尋常でないほどに震えていた。 その身体の震えさえも、 野性の本能に従う今の私には興奮の種だった。 肩越しに様々な場所を咬み、悲鳴と血を味わう。 人間の血は甘い鉄の味がした。 これほどに興奮したのは生まれて初めてだった。 どんな女と寝た時だって、感じたことのない高鳴りだ。 私は夢中で咬みつきながら人間を犯した。 人間の背中には私の歯形が幾重にも刻まれる。 その姿はさらに私を加速させ、私は乱暴に腰を叩きつけ、 内部のウネリを味わった。 人間の中は気持ちよかったが 人間は違ったようだ。 我々の性器のサイズは人間には相当辛いのだろう。 人間は呼吸すらもままならないようだ。 結合部分の熱さが、私を更に夢中にさせる。 激しいピストンを開始した私に、人間は身体を捻り逃げ出そうと悪足掻きをする。 逃げる行為がさらに野性を刺激することを知らないのだろう。 私は人間を取り押さえ身体を反転させた。 人間が恐怖で怯える姿を目の前にしながら犯したかったのだ。 人間は半分意識を失っているようだ。 私はそれに構うことなく首筋に咬みつく。 人間が小さく悲鳴を上げた。 完全に逃げ場を失った人間を、私は犯し続けた。 「……ぁ………ぅぅ……っ」 犯し続けていると、 人間はやがて私に助けを求めしがみついてくるようになった。 自分を犯し続けている相手にしかすがることができないのだろう。 私の突き上げに合わせ、私の胸に顔を埋め耐えていた。 弱弱しく必死に呼吸ししがみ続ける人間に、私は満足した。 その日は夜が明けても何度も人間を犯し、何度も人間の中に吐精した。 次の日、 心が静まり、やっと理性が戻った時には人間は衰弱しきっていた。 理性が戻った今、私は人間になんと酷い事をしてしまったのだと後悔していた。 全身に刻まれた傷と咬まれた傷跡。 赤く腫れあがったアナルは一晩中のレイプで いまも空洞を覗かせている。 人間は一日中泣き続けた。 小屋に隠れて泣き続けた。 満足に立っていることもできないようだ。 私を見ると、身体の震えが止まらないのか、 人間は弱々しい動きで後ずさって逃げた。 人間は小屋の中から出てくることはなかった。 私が怪我の治療をしようと、人間を無理に押さえつけようとするのだが 恐怖に怯えた人間は嘔吐してしまう。 嘔吐物が私にかかってしまったのに気付いた人間は、 ただでさえ青褪めた顔をさらに白く染め、 震える唇をなんとかつむぎ、私に懺悔を繰り返し続けた。 私は途方にくれてしまった。 もう許していると何度語ろうとも、 人間は怯え耳を傾けなかった。 結局私は、人間の嗚咽を小屋の外で聞いている事しかできなかった。 昨日までの笑顔など、 人間がみせるはずはなかったのに、 私は人間が笑わないことを悲しんだ。 せめて水分だけでも摂らせようとキッチンに向かう私に、 昨日破かれたプレゼントが目に入った。 人間はもうこの服を着てくれる事はないだろう……、と 言葉にできない感情と共に、 私はソレをゴミ箱に押し込んだ。 続く |
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